色々を見分ける
ワークショップの会場で私の指示した、例えば「肘の一点を下げる」とした時、「体感させて欲しい」と私の腕を握る。
私は肘の一点を下げると、腕を掴んでいる人は転げる。
その時のリアクションに数種類ある。
一つは、笑顔になる。一つは、何もない。一つは真剣な顔付きになる。
今回は、笑顔になる人が多い。
それは、私の腕が何一つ変化しない事に、そしてにもかかわらず自分が倒れて行くからだ。
このタイプの人達は、「自分の力を認識しつつ相手を感じている」からだ。
何もない人は、単に掴んで倒されただけ、つまり、私の腕を掴んで何を確かめるのかの問題を持っておらず、単純に倒れるのかどうかを試しただけだ。
真剣な顔つきになる人は、自分の腕力が足りないのはどうしてだ?と、自分自身に意識が向いている、あるいは、それ以外の事でも自分自身の殻の中にしか興味が無い人だ。
一つの行為に対しての反応は、人それぞれに違う。
それを知る為にも単純な操作が大事だ。
ここトゥロンでのワークショップでは、力の強い柔道の先生ややたらと身体がでかく力の強い人、空手から転向しMMAをやっている人他、やはりバラエティに富んでいる。
柔道の先生や総合の人、空手の人3人に片腕を掴ませ、転がしたら拍手が起こった。
皆楽しんでくれていた。
今日も、それらの人を相手に潰してみる。
「身体を使う」という事だけがテーマであって、武道的武術的な技ではないが、身体操作という技だから、ジャンルを超えて皆が楽しんで取り組んでくれているのだ。