仕事とは2

「仕事」を意識したのは、「これをやりたい」と思った仕事、今では消えてしまった「植字工」だった。
小さな箱を左手に持ち、指定された文章を指定された活字を探し出して作り上げるのだ。

活字はびっしり活字の並んだ棚から拾い出し、小さな箱の中でその文章を組み立てる。
印刷の前段階の仕事だった。
明朝とかゴシック6号とか書かれた文字を探し出すゲームのようなものだ。

つまり、そういった職人に憧れていたのだと後々気付いた。

ここで、私自身「仕事」というものを行動した事で、「私」と「仕事」が逆転した、つまり、一般でいうところの「仕事」と言った時、客観的な目線から考え、それはお金が儲かるのか、楽なことか、時間の余裕が、、云々カンカンだが、私は仕事をする「私」に興味が向いていたのだ。

分かりやすく言うと、どんな仕事であっても、それをやるのは「私」であって、「私の人生の時間」だ。
であれば、「私としてどんな仕事っぷりが出来るのか」に重きを置いたのだ。
その意味でどんな仕事でもとやかく考えないようになったのだ。

仕事をする「私」という考え方は、ある意味で好き嫌いの枠を壊してくれたとも言えるのだ。

だから、「仕事とは」と問われれば「私そのものです」と答えられる。

「私とは」あるいは「本当の私」なる言葉が氾濫しているが、そんなものは改めて考えるものではなく、「私とは」あるいは「本当の私とは」と考えている時間を持て余している「私」なのだ。

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