コツコツと正しい事をやり続ければ
先日「明鏡塾19期」の講座が始まった。
4期から受講してくれていて、ここ2,3年東北の方に転勤している理学療法士も顔を見せてくれた。
その理学療法士と組んだ2期目の鍼灸師が『初回からベテランの方と組ませていただき指摘が正確で触れることを続けてきた方の手は違いました。力みや何か考えながら触れられていること、触れる前に止まること(一気に行かない様子)を感じ、そこをズバリ指摘されました。』。
その理学療法士は4期からだから9年の付き合いだ。
その9年は、正確に「相手を観察(患者さんを診る事)できる手」を作り出したのだ。
「明鏡塾」は、医療従事者だけの講座だ。
医療従事者に一番必要なモノは何だ?
患者さんや利用者さんと、密に関われる能力だ。
もちろん、医療技術は必要だが、それは各自が培えば良い。
密に関われる能力というのは、常に気持ちが開いていて、センサーが患者さんに向けられている事だ。
もちろん、イメージとしては掴む事は出来るだろうが、具体的には意味不明の事だろうと思う。
その事を「思えば良いのか?」と殆どの人は捉える。
例えば「寄り添うように」とありきたりの言葉だが、それを発した人はどんな具体的な行為を指しているのか?
その説明を聞きたいし、それを体感したいと私は思う。
「それはどんな事だろう?」と明鏡塾を受講してくれる人達に質問する。
その時の答えが「イメージ」だとか「思っている」というものだ。
「えっ?」私は、それこそズッコケる。
ということは、その言葉に実体が無いということになる。
「どういうこと?」それが医療従事者の姿勢なのか?そんな疑問を受講者に対して持った。
だから、「明鏡塾」での講座は、曖昧な言語や曖昧な技術は使わない事にした。
具体的に手が仕事をし、患者さんや利用者さんの役に立たなければ意味がないのだ。
「手が仕事をする」当たり前の事だ。
それを「当たり前」になるほど、「手」の感覚を磨く事。
受け身としての感覚、積極的に働きかける感覚、これらを磨くには、考えなければならない。
「今、何をしているのか?」仕事をしているのだが、それが自分として明確なのか?
そういった基本的なところを突っ込む講座だ。
だが、この基本的な講座が、施術そのものを成長させ、色々な不思議が自分自身の現場で起こる。
今期初受講の鍼灸師が送ってくれた感想に『治療後、男性の血色はよくなり、うつむきがちだった目線もまっすぐ前を向いていました。声の太さも変化し、下腹部に力が戻っているのがよくわかります。以前の私だったら、問診で「だめだこりゃ」と判断していた典型的なタイプの患者さんでした。明鏡塾は始まったばかりです。これからの半年間、心して学んでいく所存です。』とあった。
基本を正していくだけで、患者さんの笑顔が増えるのだ。
明鏡塾は20期生を募集しています。



