ジミヘンは言った
ジミー・ヘンドリックスの名言で、曰く「ブルースを弾くのは簡単だ。だが感じるのは難しい」だ。
思わず、それこそ膝を打った。
ジミヘンがそう言葉にしたのは、最初からそうだったのか、あるいはロックの中である程度育ってからだったのか?
そんな事にも興味も湧いて来る。
私が「感じる」というニュアンスの言葉を耳したのはジャズドラマーになってからだ。
即興演奏について質問した時に「感じ一発やで」と、先輩が言っていた。
それが最初だ。
それで、注意して先輩のバンドマンたちの会話を聞いていると、何時も「感じ、フィルイン、ジー感」があった。
2.3ヶ月もすると、私も「ジー感一発や」を口にしていたから恐ろしい。
が、しかし、それがバンドマン、ジャズマンなのだ。
その意味で、具体的な話になる事はなかった。
具体的な話は無いが、逆にその雰囲気を吸収しようと感覚が鋭敏になったのは間違い無かった。
色んな先輩ドラマー達を観察したり、コピーをしたり、そんなプレイヤーコピーからレコードコピーまで、最初の頃はコピー一色だった。
そういった生活というか、時間の過ごし方がまるっきり変わったのは、「これだ!」を見付けてからだ。
「響く」とはこういう事だと、後々気付いた。
人生が一転してしまったのだ。
それは、何時も書いているジョン・コルトレーンのマイフェバリットシングスとの出会いが、そうなったのだ。
そんな私の人生を思い返すと、レールも無ければ目的も計画的なものは何一つ持っていなかった事に気付く。