地中海に面したホテルで
「どんなミュージシャンが好きだったのですか?」
別段、どこにでもあり、誰でも口にするセリフだ。
勿論、私もする事があるかもしれない。
但し、その場合の質問の相手は、音楽関係でその音楽のジャンルをある程度分かっている人、という但し書きが付く。
相手への見極めが無いのに、質問を発する事はしない。
それは時間の無駄遣いだからだ。
トゥロンのホテルは地中海に面して快適だ。
海がありその風が身体に当たるだけで元気が湧いて来る。
山も牧場もホッとするが、海ほどではない。
今回一緒に来ている東京の師範代は「ここにしばらく住もうかな」と呟いていた。
もちろん、それもありだ。
そんな事は私も頭を掠める。
限りある人生の時間だから有効に使えば良い。
トゥーロンの稽古は1日終わった。
どういう事か、身体の大きな人が多かった。
身体の大きな人は、気持ちが大きいので気持ちが良いし、稽古も突っ込める。
肩や肘の使い方、足の裏や歩き方、と基本的な動きを沢山した。
「力を入れてはいけない」「我慢比べではなく稽古ですよ」おなじみの言葉をまき散らす。
極力体験のリクエストに応じているが、「で?」と質問をすると「え?」となっている。
何を体験したのか?
そして、何を得たのか?が「で?」なのだが、残念ながら「それだけ」しかやっていないので「で?」にはならないのだ。
もちろん、これは日本でも同じ、「明鏡塾」でも「武禅」でも同じだ。
5月3,4,5日「武禅一の行」108回です。