利用者さんを労わるというのは
特養での研修だった。
介護や介助の技術は必要だ。
しかし、それ以上に利用者さんを労わる気持ちがあるのかどうかが、一番重要だ。
もちろん、多くの介護士や介護福祉士の方は、その気持ちを持っているからその業界に人生を置いたのだろうと思う。
しかし、いくら気持ちがあっても、その事が利用者さんに伝わるのかどうかが問題になる。
利用者さんの表情や仕草をどれだけ観察し、その時々の気持ちの変化に沿っているのかどうか、そこが問題なのだ。
気持ちは、行動と共にある。
つまり、その行動が気持ちとかけ離れているかもしれないと疑いの目を持つ必要があるのだ。
何故なら、相手に対する気持ちが、コップからコップへ水を入れ替えるように伝えた体験があるのかどうかを、何かで検証した事があるのか?きっと無い筈だからだ。
だから間違っているのではなく、そこをスタート地点にしているのかどうかだ。
次の研修までの宿題に、ベッドから車椅子への移乗の為の起こし方を指示した。
手本を見せたら、ベテランの施設長が「25年前に知っておきたかった」と悔しがっていた。
それは、起こされた人が「何が起こったのか分からなかった」というくらいストレスが無かったからだ。
つまり、完全に利用者さんに負担が無い、という状態で、尚且つ介護側の負担もゼロだからだ。
「労わる」とは、こういうことだ、で終えた。
大阪ワークショップは8月4,5,6日です。