神田道場?「どうして?」

そういえば、2018年4月7日に東京の道場を神田に持った。
「どうして?」

私が大阪に道場を持ったのが、40年程前だ。
この道場は、私自身の武道に対する考えを実験する場だった。

やるべき事、考えなければならない事、やった中で発見した諸々。
そういう進化の中で、私の稽古時間は朝から最終電車に間に合う迄に伸びていった。
もちろん、それでも足りないから、部屋に帰っても考えて考えて考え抜いた。

そのまま寝てしまって、起きたら道場だった。
それは生徒の為というよりも、私の為の時間だった。

実験が壮絶に成程に生徒の数は減っていき、家賃を払えなくなり夜逃げを考えた。

私一人で稽古をしたかったので、どこかの山中に小屋を建てれば家賃はいらない。
それを狙って田舎というよりも山を探し、結果として現在の場所になったのだ。

ここで計算が狂った。
当時の残った弟子たちが、一緒に山に行くと言い出したのだ。

という事で、現在の道場になった。

道場が出来上がって来ている時、弟子の一人にベースボールマガジンの嘱託カメラマンがおり、その彼がベースボールマガジンを紹介してくれ、そこの誌面で私の武道に対する考え方を発表したのが、世間に出た最初だ。

もちろん、それは私の考える武道とは?であって、そこで弟子を取る気などさらさら無かった。

しかし、雑誌に掲載された事で、京都からわざわざ山中に来てくれた人がいた。
その彼がどうしても教えて欲しいというので、仕方なく指導をした。

そんな経緯が、私の「道場」だ。

だから伝統ある古流の道場とは全く異なるし、そういった人達に失礼だという思いがある。

私は個人的に武道を研究・探求しているので、「日野武道研究所」と命名したのだ。
と振り返った時、研究や探求の為のものだから道場を持っているのがおかしいのかも知れないと思いつつある。

熊野の道場は、私の住居だから良いが、他の場所を持っての道場は、本来の私からみれば筋が間違っているのかもしれないのだ。
それが「どうして?」だ。

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