「人の純粋な真剣さ」は武禅一の行にしかない

「武禅一の行」を毎回受講しているカナダの鍼灸師が、レポートのお礼のメールをくれた。

その中に「先生、武禅のレポート感想ありがとうございました。5年という時間経ったという感じよりも先ず『此処へ帰ってこれた』という嬉しさが一番強かったと思います。武禅で得た課題にチャレンジしていく日常が、武禅と次の武禅の間にある。人の純粋な真剣さに触れる”場”を先生が提供してくれている。或いは”作り出してくれている”とも言えると思います。本来、あるべき姿(日本人)の日常を”再現”させる日野先生の凄さです。」と嬉しい言葉が添えられていた。

彼はコロナのタイミングで5年間受講していなかった、帰国出来なかったのだ。
「次の武禅を教えて下さい」とも書かれていた(次の「武禅」は10月7,8,9日)
とにかく航空券が高騰しているので、安価な時を狙って買うからだ。

この鍼灸師が書いた「人の純粋な真剣さ」これが「武禅一の行」の中身だ。
その意味で、知識を仕入れる場でも、仲良しクラブの場でもない。

人が真剣に人と向き合う、そんな場だ。
結果として、それぞれの垣根が外され、純粋な関係が生まれているのだ。

もちろん、中には勘違いしている人も交じる。
そうなると、「真剣」の集中が途切れて、間=魔が生じる。空気がダレるのだ。

それは、真剣な人の真剣度がまだ薄いから、そちら側に巻き込めないのだ。
それも自分を知る一つの鍵だ。

真剣は深刻ではない。
深刻は、思いが作り出している真剣のフェイクであり、自己満足であり、暇だから出来る事だ。

真剣は、自分が対象とするテーマや人そのものに向い合っている事で、自ずと行動を生み出すものである。

たった2泊3日という限られた時間内を、非日常な「真剣」に自分に取り組む、それこそが修行であり稽古なのだ。

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