幼馴染は3人とも音楽の世界へ行った

このクソ暑い夏になると思い出す事がある。
それは中学一年生の時、器械体操に取り組んだ時の事だ。

顧問に教えられたり、先輩にああだこうだと言われるのが嫌だった1年生3人で練習をしていた。
3人は近所という事もあり、部活が終わると近くの公園で鉄棒にぶら下がっていた。

この3人は、その後奇しくも音楽の世界に入っていたのだ。

一人は、高校2年生からジャズのフルバンドで、中古のアルトサックスを買い吹いていた。
もう一人は、成績が良かったので付き合いは無くなった。

私は、ジャズドラマーになった。
だから、アルトサックスの彼とは、ジャズの世界で仕事を一緒にした事もあった。

付き合いの無かった彼とは、40歳の時に同窓会があり、そこで再会した。
何とオペラを歌い、当時のローマ法王の前でも歌ったそうだ。

それから数十年後オペラ協会の会長になっていた。

器械体操と音楽を関係付けようと思えば出来るが、そんな事をしても意味が無い。
単純に、13歳の頃鉄棒にぶら下がっていた3人は、その後音楽という共通の言葉を持っていたという話だ。

再会しても現在の状況を告げるだけで、鉄棒にぶら下がっていた時代の話はそっちのけになる。
つまり、現在の方が楽しいという事だ。

自分で選んだ世界を、徹底的に突っ込んだ中学時代そのままに生きて来たということだろう。

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