便利とは何か?

熊野と大阪の往復は、さすがに疲れる。
ただ、熊野に来た30数年前から比べると雲泥の差だが。

当時は、田辺から熊野まで、大きな峠を2つ超えなければ行けなかった。
自分で運転していても、体調によって車酔いするくらいだった。
国道も対向車が来ると、どちらかが対向避難場所まで下がらなければならなかった。

そんな時代があり、道路が別の場所に作られ、高速道路まで出来ているのだから、疲れは半減している。
時間的にも、当時の半分の時間で大阪に行ける。
確かに便利になった。

この便利は、線を点に変えているのと同じだ。
もちろん、時間の経過、距離の経過はあるのだが、その事よりも、目的地への意識が強く、道中の印象が薄くなっているということだ。

道が変わるという事は、その場所場所にあったお店や、何かしらの中継地が不必要になるということだし、小さな町でも通るのなら、そこの町は衰退するということだ。
というような、何かしらの影響が間違いなく起こっている。

道場の近くのトンネルが抜けるた時、私達が飲み水としていた沢が枯れた。
80世帯足らずの小さな村だが、全世帯の水が無くなったのだ。
便利とはどういうことだろう?

 

Follow me!