成長というのは
今日で今年も半分過ぎた。
武道とは直接関係のない事、例えば、今やっている屋根修理だ。
もちろん、厳密に言えば道具の使い方が役に立つが、そういうことではなくとにかく「屋根修理」に生を出すのだ。
この時、私は間違いなく腕の悪い職人になっている。
腕の悪い職人だから、どうすれば腕が良くなるか、どうすれば、段取りよく作業を進める事が出来るかで頭が一杯だ。
こんな時、大方の人は「武道に役立つ為に」と意識を働かせる。
そうすると、その時の自分が「役に立つ」と思った事だけしか、そこから盗み出すことが出来ない。
私は、とにかく本筋ではない事、例えば、現在武道家だから、それ以外の事は本筋ではない。
この本筋ではない事だが、それを本筋だと直ぐに切り替える。
そして、その事に徹底的に取り組む。
決して武道の役に立つから、というような意識を持たないのだ。
そして、修理が終われば、その事はケロっと忘れる。
そんなことの繰り返しが、ある時全体として相互に役立つ、役立たせる事ができる自分になっているのだ。
つまり、自分に足し算で何かを足していくのではなく、自分そのものを引き上げる事になる方を選んでいるという事になるのだ。
OSにソフトを足していくのではなく、OSのバージョンを上げたり、OSそのものを変えてしまうのだ。
私は、それを成長と呼んでいる。