男冥利に尽きる
「男冥利に尽きる」久しぶり、本当に久しぶりに耳にした。
マツダでロータリーエンジンを開発した技術者の言葉だ。
ジェンダーが差別でどうのこうのという意見を持っている人には、吐き気がする言葉だろう。
しかし、私としては非常にピンとくる言葉だ。
この言葉の背景には、広島に原爆が投下され焼け野原の中で、社屋が奇跡的に残った。
社長の松田さんは、広島の復興と会社の復興を、ロータリーエンジンに賭けた。
そして、そのエンジンを手掛ける役を、開発者に託した、という物語があるのだ。
そこでこの「男冥利に尽きる」が出たのだ。
この大きな志に47人の技術者が名乗りをあげ、苦心の末に開発に成功させたのだ。
成功した車をフランスで発表、ポルシェやベンツ他名だたる自動車メーカーが驚嘆した。
アメリカではカーオブザイヤーを与えた。
つまり、世界にショックを与えたのだ。
ロータリーエンジンは100年ほど開発の歴史があり、それをどのメーカーも成功させられなかったのだ。
そんな代物であり、広島復興、会社の復興、そう言ったとんでも無い重荷を引き受ける。
そこに「男冥利に尽きる」となるのだ。
かっこいいではないか。