神田・稽古始め
昨日は、神田道場の稽古始めだった。
とはいっても、何の格式も持たない武道研究所だから、ごく一般的に「おめでとう」だ。
基礎稽古の見直しを考えていたので、とりあえずそこから手を付けていった。
武道の「技」の難しいところは、初心者には見えない仕掛けがあるところだ。
もちろん、そこは基礎稽古で散々手本を見せるが、「何を見るのか」の目が育っていないから、言葉ではどうにもその壁は突破できない。
もしかしたら、そこは個々のセンスの問題かもしれないとも思う。
突破できない場合は、見えている動きだけに焦点を当てる。
もちろん、それも大事な事だが、見えない人に限ってその動きも雑だ。
そういう個々の違いを見ていると、限界が見える人とそうでない人がいる事も見えてくる。
しかし、限界が見えてしまう人は駄目なのかというとそうではない。
私の提唱する武道に向いていないだけだ。
多くの人はその事に気付き、あるいは、良さを分かる前に、早い人で1か月、遅い人でも数年で消えて行く。
その意味では、受講生の新陳代謝が激しいのが、日野武道研究所の特徴でもある。
ただ、不思議な事に女性の方が続く割合が多い。
昨日は「体重移動」の高度な使い方を稽古した。
黒帯連中は組んだ相手と試行錯誤している。
ここが大事なのだ。
自分で見つけ出せなければ価値も意味もないからだ。
たとえ見つけ出せたとしても、それを繰り返すことでしか身には付かない。
そこを怠ると、永久に初心者の延長線上だ。
そんな事が明確に見えるから、高度な稽古は面白いのだ。