ゆっくりの効用

「ゆっくりと」が稽古する順序だ。
これは古い人程守っている。
それは、年数が長い分、「ゆっくり」の重要性を身体で知っているからだ。

しかし、難しいのは「ゆっくり」を出来ない人がいる時だ。
というのは、自分のやっている事を、客観的に知らないから仕方のない事でもあるからだ。

ゆっくりの極端なのは、動いているのかいないのかが分からないくらいの速度だ。
どうして、それが良いかというと、自分のやるべきことに集中する密度が濃くなるからだ。
同時に、身体を鍛える事でもあるし、運動を正確に行えるからでもある。

意識が散漫にならないように、腰に構えた突きを突き切るのは難しいものだ。
僅かの雑音も拾えるようになると、頭が勝手に雑音を出しているのが分かるようになる。
もちろん、その雑音は放っておけば良いのだが、それに囚われる時もある。
それが意識が散漫な状態だ。
それに気付いていくのも稽古だ。

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