自分の資質を上げる

7-17

武道は間違いなく関係の為の実質的なトレーニングだ。
組稽古をする度にその事だと痛感する。
但し、関係の為のスキルではない。関係できる自分作り、つまり、自分という人間の資質を上げる為の訓練だ。
だから、スキルとしての「理解」では前に進まないのだ。

特に、自分自身の幼稚性や稚拙性に気付き、そこを向上させる。
攻めは自分の主張だ。
受けも自分の主張だ。
それらがぶつかり合うという「対立」がまずある。

問題は、その主張そのものが幼稚なのか、高度なのかだ。
高度というのは、自分の主張が通らない場合、臨機応変に対応できるということだ。
逆に幼稚というのは、一つの主張に囚われている状態だ。

臨機応変にと言葉では簡単に話せるが、まず出来る事はない。
その場その場に応じて、つまり、刻々と変化する状況に応じて物事に対処する、対処できる事など習っていないからだ。

自分の主張が通らないと想定した主張をする、という前提が相手との距離感の獲得でもある。
また、幼稚性や稚拙性は身体運動の「力み」に現れる。
特に相手を攻撃したり、受けを取るということで「力み」が見える。
「対立」は、自分自身の存在確認として非常に大事な要素であり、それが前提として無ければ関係は始まらない。
会話にならない、議論にならないのだ。

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