日本酒の仕込みから見えた
若い杜氏がお酒を仕込んでいた。
「これは絶対に美味しい」と思った。
酵母という生物と、徹頭徹尾向かい合い、そこに起こる化学変化が「美味しい」を生み出しているからだ。
それこそ関係そのものだ。
もちろん、そこには色々な調整があり、それを数値化することは可能だ。
となると、機械で出来るのではないか、となる。
無論、機械で出来るしそうしている酒蔵もある。
しかし、生物だから、生物同士で起こる化学変化が重要なのだ。
見ていてつくづくそれを感じた。
これほど丁寧に向き合っている人間同士はあるのか?それを思ってしまった。
最後の仕上げで、酒作り唄を歌いながらかき混ぜる。
この調和が旨味を際立たせるのだろうと思う。
一切無駄がないその形や所作は美しい。
当然、美味しくて当たり前だ。