自分の生を全うする

緊急事態宣言が出された。

その昔スペイン風邪が、世界的に流行し何千万という人が亡くなった。
皮肉なことに、そのスペイン風邪が第一次世界大戦を終結させたようだ。
戦争で亡くなった人よりも、ウイルスで亡くなった人の数が多かったのだ。
そんな記憶が薄っすらとあるから、今回の世界的な大騒動になっているのだろう。

本当に、何が起こるか分からない、という実際を、コロナウイルスは改めて示したようなものだ。
何が起こるか分からない、とは、誰もが知っている言葉の一つだろう。
しかし、実際には何も分かっていなかった、ということに気付けば、今後どう生きなければいけないのかを考える手立てになる。

もちろん、何が起こってもどうってことはない、とも言える。
それは、ハッタリではなく、自分も死んでいく身だから、と当たり前の事を認識していれば、ということだ。
そこに褌を締めていると、経済危機であろうが、今回のようなウイルスであろうが、慌てふためくことはない。
自分としての生を全うするだけだからだ。

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