武道セミナー
武道の稽古でもワークショップでも、もちろん「明鏡塾」でも指示を出す。
同時に「どうすれば」の動的手本を見せる。
その後、どう取り組むのか?を見ていると、言葉としての指示を自分の動きに取り入れている人が多い事に驚く。
もちろん、これは今に始まった事ではない。
20数年前も同じだ。
ただ、その20数年前の時は、指示された事が出来ていない、という括りで受講者や生徒を見ていたから、言葉を取り入れているのか、見て取り入れているのかを、さほど綿密には分別していなかった。
その頃、名古屋で開いたセミナーを受講してくれていた若者を見ていて気付いたのだ。
試しに動的な手本を示さずに、言葉だけで説明してみたら、言葉を考えながら身体に当てはめていった。
つまり、視覚から身体への回路が育っていなかっただけだった。
その事を契機に、取り組んでいる人が、言葉主体なのか視覚主体なのかを観察した。
結果、圧倒的に言葉主体が多いという事が分かった。
つまり、説明や解説を理解することで、行動に入るという具合なのだ。
「それに何の問題があるのか?」となるだろう。
言葉で動きを理解するというのは、相当高度な能力だ。
例えば、ハンマー投げの選手に、その動きを口頭で聴いて出来るだろうか?
もし出来るとしたら、それは言葉をイメージ化出来る能力が育っているということで、もちろん、素晴らしい事だ。
ただ、そのハンマー投げという行為を、TVや様々なメディアで目にしているから、イメージ化出来るとも言える。
つまり、先に情報を持っているからイメージ化できるのだ。
しかし、私が指示する、例えば、「肘を感じる」「力の方向に従う」という言葉をイメージ化できるのか、というとそうは思わない。
多分、自分自身の持つイメージに合わせる程度だ。
で、ここが問題なのだ。
自分の持つイメージが、どうして私の指示と同じなのか?だ。
どうして同じだと思えるのか。
多分、無意識的にそうしているのだ。
そこに自分自身の検査をいれなければ、何も見えてこないのだが。
そんなことを煮詰めていくのが稽古であり、上達、成長への道である。
●東京武道セミナー 定員20名程度
場所:神田道場
千代田区神田多町2-8-10神田グレースビル 地図
※一階は靴店
※JR山手線「神田駅」徒歩5分・JR京浜東北線「神田駅」徒歩5分
都営新宿線「小川町駅」徒歩3分・東京メトロ丸の内線「淡路町駅」徒歩1分
日時:3月7日
11:00-13:30 14:30-17:00
終了後懇親会があります。
料金:1コマ5,000円
内容:上達の為の稽古の考え方・腕の力は肘から
※テーマ以外の色々な武道・武術の質問にお答えしますのでご用意下さい。
※服装は、各道着や運動の出来る軽装で大丈夫です。
https://www.hino-workshop.com/