ハラスメントには

カツオの一本釣りの漁師さんは「今で言えばパワハラだらけですよ」と大笑いする。

一瞬の勝負、つまり、カツオの群れを見つけ、そこに竿を入れて釣るのは、その群れと遭遇した、あるいは、見つけ出した時だけだ。
2時間から3時間が勝負だそうだ。
この間にどれだけ釣り上げる事が出来るかで、カツオの水揚げが決まる。
つまり、収入が決まるからだ。

仕事をしない年長者がいると、若い者はそれを真似てサボルという。
油断が生まれるのだ。
それで魚群を逃してしまう事もある。
釣り上げる手間が増える事もある。
それら全部が収入と直結しているから、声を荒げる事もある。
もちろん、その漁師さんも船長さんに怒鳴られる事もある。
怒鳴られたら「くそ〜!」となる。

そういえば、女子プロレスラーのご主人がパワハラだと訴えられている。
証拠の音声もあるとメディアに流れていた。
それを聞いていて「どこが?どうして?」と、違和感を感じざるを得ない。

これをパワハラだと思う人、感じる人はどんな世界で生活している人だろうと思う。
医師の世界だからなのか?とも思う。
メディアも報じるのは、どんな意味があるのか?
何でも良いから訴えたら勝ち、という風潮を作りたいのか。

実際は、こんなやり取りは、日常的にあり、それを交わせる話術や負けん気を養う、という方向にどうしていかないのか。
意見を壊されたらパワハラだと訴えれば良い、という考え方を植えつけてしまう世の中では、自分の考えを持つ人間を生み出さないのは、誰にでも分かることではないか。

訴えられた医師は、訴えた人の仕事ぶりからこの言葉になったと説明していた。
それよりも小賢しいと感じたのは、録音していた事だ。

例えば、もしかしたら恐喝されているとか、何らかの事件性があるかもしれない、としたら録音もするだろう。
私はストーカーにあい、電話のやり取りがあった時、そいつを捕まえる事が出来るように、録音していた時期がある。
そういったケースではなく、別段普通だ。

もちろん、訴えた人に取ってはパワハラだとし、その証拠も必要だと録音したのだろう。
しかし、しかし、もしパワハラだと感じるなら、どうしてその場で「何やと!それはパワハラやろ!」と怒鳴らなかったのかだ。
もし怒鳴っていれば、それはその場で済んだ事だ。

つまり、こういったハラスメントの大多数は、その場で反論すれば、あるいは怒鳴れば決着が付いている事だ。
その強さを養う事こそが、本来のハラスメント対策だろう。


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