スキルでは
剣の達人伊藤一刀斎は「妙とは心の妙であって師から教えられるものではない」と、師鐘巻自斎に語ったという。
極意は自分の力でしか獲得出来ないものだし、終生獲得できないものでもある。
獲得した人は稀だということだ。
それは、歴史に残る達人の数を見れば分かる。
もちろん、歴史に名を残していない達人もいただろうが、それもそれほど多くはない。
この極意という境地は、日本においては芸事や匠、そして宗教にも通じる。
それは現代で言うスキルのことではない。
スキルは自分自身のこころの葛藤を必要としない。
自分自身の作り出した「思い」に対しての葛藤はあっても、自分自身の本性での葛藤はない。
だから、いくらスキルを身に着けても、自分自身を世間を客観的に眺められる価値観を持つところまで引き上げる事は出来ない。
つまり、普遍的な価値観を得ることは出来ないということだ。
剣の振り方や型の動きは教えられる、つまり、見様見真似でいけるが、成すべきは自分自身で極意を会得すること、それに挑戦していくことだ。
それが武道だ。
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