言葉と影響

言葉が気持ちや身体に直接影響する、という典型的な例を思い出した。

もう30年程迄、糖尿病で透析寸前の人がいた。
元大工さんということもあり、道場を建て出したところなので家に居候してもらった。
家では道場を建てる費用がいるので、完全な粗食だった。
それが功を奏して、あっという間に体重が5,6kg程落ちた。
病院で検査をすると透析の危機は無くなっていた。
どんどん元気になり道場を建てるのを手伝ってくれた。

その人は、実家を出て出稼ぎ状態だった。
元気になったから、一度実家に帰って来るというので、電話をかけてみることになった。
電話をすると「二度と顔を見たくないから家には帰って欲しくない」とけんもほろろに断られた。
家には相当迷惑をかけていたようだ。

問題は、それからだ。電話の声を聞いた途端、一遍に顔色が悪くなった。
様子がおかしいので、急遽病院へ連れていった。
即入院透析だった。
それから、数か月で亡くなった。

言葉は、特に誰がどう言ったか、が重要で、それによって影響が異なる。
病人であれば、医療関係者からの言葉は生命を左右する。
そんな例は枚挙のいとまがない。
その意味でも、会話にマニュアルは無いというのだ。

少し変わるがこんな例もある。
これは「明鏡塾」を受講する、若い理学療法士のことだ。

「痛みの訴えが多い利用者さんが、違う事業所からの引き継ぎで担当することになった。送りでは精神的な面で痛みが出やすい人ですと受けた。実際に体を触れてみると、体の問題から来る痛みだと感じられた。そこでストレッチや筋肉の癒着を剥がしていくと痛みがほとんどなくなくられた。その後も、痛みが少ない状態が続かれていて、自分から動く時間も出てこられた。もともと、手術を何度もされたり、ふつうに見たらそこまで痛がらなくても良い場面でも痛がったりされるので、今までなら、そういう人なのかーで終わっていたかもしれないですし、人の言うことに翻弄されたかもしれません」

これは直接会話ではない。
しかし、言葉をどう受け取るのかということではある。

「診る」という訓練を積んでいるから、言葉と実際の違いを見抜けたのだ。
「明鏡塾」は、こういったこころある人、患者さん利用者さんに本当に「寄り添える」を人を育てるセミナーなのだ。
しかも、自分の力で、である。

「明鏡塾」体験セミナー
8月31日東京・神田

 
 

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