マニュアル化出来ないこと
細分化されることのデメリットとは、全体を見通せない人が出ることだ。
仕事でも、その専門によって、他の専門の事を知らない場合が多い。
そうすると、その専門は全体の為にあるということを、知識や情報として知ってはいても、実感として知らないから繋がりを想像することが出来ない。
マニュアル化出来ない隙間があるからだ。
その意味で、実際の行動や行為をマニュアル化、あるいは言葉化出来ないというのだ。
これは、25.6年前に頼まれて行った企業研修や講演の時に、力説していたことだ。
だが、日本はマニュアル化の方向にどんどん進んで行った。
どうして、他民族だからこそ出来たシステムを、同一民族、つまり、言葉を理解し合える国で使うのか、私には理解出来なかったのだ。
その弊害に何が起こるかというと、話を省略して極論を言うと、日本文化特有の「気を使う」、つまり、目を行き届かせるという躾や文化そのものが無くなって行くという、現在の状況になっていったのだ。
目を行き届かせるというのは、当たり前の事だが、生きていく上で必須の要素だ。
状況が分かるということ、そしてその状況に即した行動が取れるということなのだ。