40年前の声

先日は10年ぶりの声だった。
今日は40年ぶりの声だ。

「アキラさん??」
私がコンサートだけで食べられない時、彼のバンドに雇ってもらって食いつないでいた時期もあった。
飯をたかっていた時期もあった。
京都・祇園にあるサパークラブで朝5時頃まで演奏し、始発か次の電車で大阪に帰るのだ。
全員酔っ払って赤い顔をし、周りにいる人は会社に出勤。
まるで、真逆の日常だった。

「あのアキラさんですか?」
「そうや、あのアキラや!」

40年になる。彼らと中の良かった、私の盟友のベーシストは死んだ。
ピアノの田中さんも亡くなった。
そんな話もした。
彼のメンバーだったオルガンでボーカルをしていた彼も死んだそうだ。
もう、そんな話題しかないのか?という感じだが、そんな年齢だということだ。

しかし、40年ぶりの声は元気だった。
「歯が殆ど抜けたからアルトを止めてピアノに転向していたのです」と。
そう言えば、と彼の顔や口元を思い出した。
彼とも色々あった。
他の人とは共有出来ない色々だ。

「とにかくコンサートに来いよ」「絶対何とかします」だ。

日野晃’古希’ドラムソロコンサート
4月12日 大阪大丸心斎橋劇場
6月1日 新宿ルミネゼロ

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