関係の中で

道場やワークショップで質問を聞く。
私としては、初めて聞く質問に即答出来るか否かの訓練だ。
だから、極力答えるようにしている。
極力というのは、質問になっていない質問もどきもあるからだ。

また、とにかく声に出して見ろ、ともいう。
というのは、自分の頭の中だけでぐるぐる言葉を回しても、実際自分が何を言おうとしているのかが分からないからだ。
だから、口に出す、そうすることで、自分が何を話したのかを、第三者的に知る事が出来る。
それが、自分の頭の中と外、つまり、他人が聞く言葉との差を埋める作業になるのだ。
「えっ、こんなことしか話せないのか」と知ることもある。
もちろん、これは会話慣れしている人には、不必要な作業だが。

質問を返すのは面白い。
そんな時、私の頭の中は真っ白だ。
「聴き込む」と、自動運動的に言葉が湧いて来る。
それをひたすら待つ、そんな訓練をその時に出来る。

講演等を頼まれてやっていた時期に、私自身の個性ともいうべきものに気付いた。
講演は、演目があり、それを話す。
それをする為には、演目から内容を空で話せるようにしなければいけない。
当初、真面目にそれを訓練した。

90分の講演を書き、それを覚え、声に出し録音してみる。
そんな作業を繰り返した。
しかし、ある時、私はそのやり方よりも、対話形式の方が遥かに自然に言葉を紡ぎだせている事に気付いたのだ。
だから、講演という一方通行の形式は苦手だと話すのだ。
それが、私の個性の一つでもあるような気がするからだ。
「反応」する、「反射」する。
これが私にとって一番楽なのだ。

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