51年もかかってやっと

ドラムを叩き始めた頃、自分自身のパワー不足、また外国のドラマー達と比べて圧倒的にパワー不足を感じ、それを補う為に武道をやり始めた。
とは言うものの、やり始めてどんどん武道の方で疑問が噴出し、パワー不足の為にはは、どこかに飛んで行った感がする。

71歳になり、本当に武道はドラムの奏法に役に立つと、つくづく実感している。
役立てるのに、結局51年もかかったと言う事だ。
途中で、空手の先生から「肘」が共通するとヒントを貰ったが、その時点での理解はまだ浅かったのだ。

もちろん、今では力の出し方が十二分に、身体で分かっているので、どうとでもなる。
ドラムからドラムへの運びも、肘や手先と意識を使い分け出来るので、それこそ自在になった。
当たり前だが、何を追求しているのか、によって、もっと早い時点で役に立てられていたかも知れない。
しかし、それはどうでも良い。
そうでは無い私だからだ。

何れにしても、内容の濃いもの、深いものに取り組むということは、自分自身の何かを深くしていくということだ。
それによって、社会の見方、世界の見方、歴史の見方が完全に変わる。
当然、それを作り出している「人」というものの認識も完全に変わる。

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