シンバルを磨いた

シンバルを磨いた。
ハイハットは、
50年前に買ったものだ。

パイステのサウンドエッジ15インチだ。
当時、こんなハイハットを使っている人はいなかった。
というのも、シンバルの淵にエッジが入っており、余程踏み込みがしっかりしていないと、シャープな音が出ないからだ。
それに底側のシンバルは分厚くなっている。
そういった扱い難い楽器には、特徴があり使いこなせれば、その特徴を引き出す事が出来る。
それも私の楽しみの一つだ。

同じように、スネアドラムは当時グリッチを使っていた。
それは楽器屋のおっちゃんが、「このスネアは、誰も音を出せなかったんや、アキラ君出してみるか」と置いていったものだ。
その楽器に挑戦すること2年。
やっと、コンサートで使える程の音抜けが良くなった。
そんなことが、私の自慢の一つでもあった。

今、使っているスネアはソナーの深胴だ。
10数年前に買ったものだが、これも癖がある。
「工夫をする」という癖が、そういったものを選ばせるのだろう。

現代社会はとにかく便利だ。
もちろん、楽器も同じで音抜けが良い楽器ばかりになっている。
それは一番良いことだ。
だが、私のように工夫癖のある人間には、物足らなさ過ぎる。
その工夫という、私の癖であり宝物を曇らせないように、工夫の種を見つけるようにしている。

もちろん、この便利な社会でもその中で育った人は、育った人なりに工夫が好きな人もいるのだろう。
そればまた次の便利を生み出すのかもしれないが。

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