1976年の演奏を

1976年当時の立命館大学でのトリオの演奏が、奇跡的に残っている。
改めて流してみると、勢いが半端では無い。
先日自殺したベースが圧巻だ。
ヨーロッパのニュージャズシーンで、有名ミュージシャンを圧倒してきたのがよく分かる。

彼はこの10年ほど前、関西では有名なグループ・サウンズでベースを弾いていた。
何かの縁で、その後知り合う。
私と一緒にしたいというので、とりあえずはウッドベースを訓練しろ、という事で、クラシックのコントラバス奏者を紹介した。

それから数年後、彼はウッドベースをマスターし、トリオを組んで仕事をすることになった。
クラブやキャバレーの仕事から、コンサートまで多種多様な仕事を共にした。
何度彼の仕事を辞めさせたか数えきれない。
腐ったバンドで仕事をしていると、私が「アホか、こんな所におったら腐るからやめろ」と、私も訳の分からない事をいっていた。

私も気違い染みた練習をしていたが、彼も決して負けていなかった。
そんな2人が寄ると、音楽の話に熱が入って徹夜になることもしばしばあった。
彼の気違い染みた熱心さは、もしかしたら病気の症状だったのかもしれない。
今となって、何とはなくそう思う。

自殺をする1年程前、「何で、アキラは俺を助けてくれるんや?」と質問された。
「お前が呼んだからや」「そんな事あるんか?」「あるからしやないやろ」「俺には分からんわ」「分かってもしやないやんけ。俺にも分からんから」

そうだ。
私は理屈で生きているのでは無い。
何かに縛られて生きているのでも無い。
「俺が生きている」のだ。

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