耳にしない言葉

作品であれ、言葉であれ、それが自分の内から外に出てしまった時、それは「外」のものになり、そこに他者がいるなら、他者の理解度や感性に応じて他者のものになる。
という当たり前のことなのだが、それでも「納得しました」というような言葉、「理解出来ました」というような言葉には、根本的に違和感を持ってしまう。

例えば、2005年から付き合いのあった、フォーサイス・カンパニーのウイリアム・フォーサイスとの会話で、このような言葉を耳にした事は10年間一度もない。
また、ミナ・ペルフォネンの皆川明さんとの会話でも出てこない。
もちろん、名嘉睦稔さんとの会話でも出てこない。
睦稔さんとは、作品をプレゼントしてもらったお礼の電話で、今日少し話をした。
電話で話をするのは基本的に嫌いなのだが、睦稔さんとの会話は濃くなる。
とは言っても、そんな言葉は出てこない。

今度酒の肴に、この言葉の事を出してみようと思う。
どうして、人はその言葉を使うのか、そして、それを使う意味は何なのか?美浜の砂浜で泡盛を飲みながら、そんなくだらない話をしてみようと思う。

 

 

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