その場で、その時にだけが

その場で、その時に。
何の話かというと、例えば、アドバイスを、例えば、相手に対する注意を、例えば、嬉しい事を。

その場で、その時に起こった事は、その場でその時しか起こらない。
しかし、例えば、注意散漫で始終失敗をしていたら、その時ではなく時間がある時に「君は〇〇〇」とか注意をする人がいる。
それでは一切相手に届かないと知るべきだ。
その場でその時、その事に自分自身が反応したなら、即言葉にして言わなければ、一切通じないということだ。
「東京・明鏡塾」を受講してくれている歯科医の方から、お礼のメールが来たので抜粋して紹介する。

「これまで、怪しい自己啓発セミナー、精神世界系、本などで、感情について言われたり、聞いたりしていたのですが、全く意味不明というか全く心に響いてきませんでしたが、日野先生に言われて本当に絶妙にピタッとはまった感じです。『これが本当に相手に伝える』ということかと思いました。」

その場でその時に、その人に直球で真正面から、だから伝わったのだ。
駄目は駄目、良い事は良いなのだ。

人間関係を教えるセミナーは、星の数ほどあるのが昨今だ。
それはそうなるだろう。
講師になる為の研修を受けて講師になっているからだ。
この人間関係を教えるセミナーや、人間関係を含んだセミナーの講師で、人間関係の実践力がある人はどれ程いるだろうか。
きっと、近所のおばちゃんの方がよほど達人だ。

それは、人間関係に関しては、習って出来るものではないからだ。
そこには、その人の人となりが重要なポイントになるからだ。
そして、どんな場を経験しているか。
そこでどれ程、真正面から対立して来たか。
どれだけ泣いたか笑ったか怒ったか。
そんなことが人間関係の機微を育むのであって、心理学の知識が育むのではないからだ。

現代の人は知識が好きで、もっともらしい言葉が好きだ。
だから、そんな文言が並んでいると、そうなのかと信じてしまう。
それは、人間関係の中での修羅場の体験数が少ないからだ。
もちろん、修羅場を数多く体験しているからといっても、人間関係の達人になれるのではない。
そこからが「その修羅場はどういうことなのか」と自分の力で考えていかなければならないのだ。
そこを抜かすと、いくら修羅場を踏んでいても、一切自分の糧にはならないのだ。

Follow me!