武道の入り口は

「武道」では「避けたら駄目」という。
それは私の意見ではなく、武道としての鉄則だ。
避けたら駄目だ、を避けないためにはどうすれば良いのか。そこを考えるのが大事だ。
避けなければ良いだけなのだが。

となると、それは身体運動ではない、という事が見えて来ないだろうか。
避けて斬る、あるいは避けて突く、とした時には、身体運動だけで十分だ。
スポーツ競技であれば、これがメインになる。
だから、ボクシングであっても、競技空手でもトップ選手と言われている人は驚くような素早い反射をする。

では何がどう違うのか。
そんな事を考え出したら、そこからが武道の入り口である。

「避けては駄目」というのは、反射運動をしない、反射運動をさせないということだ。
それは可能なのか?
反射運動側から考えれば、それは不可能だ。
しかし、全く違う概念を持ち込めばそれが可能になるのだ。

身体が動くのは、一つにこのような反射運動、そして欲求や好奇心が誘導する無意識運動がある。
まずは、その反射運動を「避ける」に使わなければ良いのだ。
だから、反射運動を起こしては駄目なのではない。
それが「避ける」になるから駄目なだけだ。

スポーツの世界でも、カウンターの上手な選手がいる。
そのカウンターパンチが出るというのが、「避けない」ということの一つの現われだ。
つまり、身体運動だけでも、そこまでは行けるということだ。
だが、それは「避ける」を克服したものではないから、武道としては駄目だ。

この欲求というところに、意図的な指示を持ち出すのだ。
意図的なというのは、「こうしてこうする」というような身体に対する指令だ。
もちろん、それが出来るようになる迄に、相当の葛藤が有る。
どうしても「避けて」しまうのだ。
それを避けていないように誤魔化したら駄目だ。
それだと、「避ける」から抜け出ていないから、身体の動きが余計に固くなってしまうからだ。
何よりも、自分が上達することが目的であれば、誤魔化していては上達など有り得ない。
という具合に、自分に対して客観性を持ち、考えを実際化していく。
それが武道という稽古だ。

3月21日大阪で行われる武道セミナーは、残り4名で締め切りです。
https://www.hino-budo.com/main-info.html

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