黒沢美香さん死去に

日本のコンテンポラリーダンスの草分け、黒沢美香さんがお亡くなりになった。
お名前は、何時もどこへ行っても聞いてはいたが、実際にご本人にお会いしたのは、数回しかない。
なにわのシゲやんこと北村成美さんの作品を、色々なダンサーが踊るという企画が、新長田のダンスボックスであった。
その時に、黒沢さんも踊るということを聞いてかけつけた。
黒沢さんがどんな踊りをするのか、どんなスタイルなのかを知らない、真っ白の状態だったから尚更良かった。
黒沢さんが袖から登場した姿、強烈な印象が残っている。
ステージが終わり、ロビーに出た。
黒沢さんがいたので、ダンスボックスの大谷さんに紹介して貰った。
その時、当のシゲやんがいたので「世界でも稀なこんな素晴らしいダンサーがいるのだから、どうしてここを目指さないの」と話したのを思い出す。
黒沢さんは、私の事をご存知だったので、少しお話が出来た。
その舞台は、とにかく秀逸だった。
失礼な言い方だが、手の指先から足の指先まで、見事に行き届き、全く隙が無い。
それは、ダンスとしてという以前に舞台人として、というところだ。
その意味では、他のダンサーとは次元が違うとも言えた。
それから何度となく、公演の招待を受けたが、私が多忙のため1度しか行けなかった。
何か時代が一つ閉じた感がある。
ご冥福をお祈り申し上げます。

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