歌は時として勇気を与えてくれる

歌は、人に勇気を与える事がある。
あるいは、それぞれにその時代が、くっきりと浮き彫りになることもある。
その意味で、この年になると、歌を辿ることで、時代を思い出し、改めて何かを認識することもある。
たまたま、youtubeを見ていると「昴」があった。
途端に笑みがこみ上げて来た。
別段アリスが好きだった訳でも、谷村新司が好きだったわけではないが、私の思い出の1曲だったからだ。
今から29年前、くろしおでは時々BGMが流れていた。
紀伊田辺から天王寺に向かい、美章園を過ぎた辺りで、昴の「われはゆく」と歌詞が流れた。
その歌詞は、その時の私を奮い立たせてくれたものだ。
色々な誤解や曲解が重なり、とんでもない自体が起こり、それを解決する為に勇ましく列車に乗り込んだ。
しかし、天王寺が近づくに連れ、どんどん心細くなっていった。
妄想が頭を支配していたからだ。
その妄想を振り払ってくれたのが「われはゆく」という歌詞だったのだ。
「よっしゃ〜!」アドレナリンが全開し、身体がとてつもなく軽くなったのを覚えている。
当時10歳だった息子に「妻の言うことを聞くんやで」と言い残しておいた。
最悪の自体まで想定していた事件だったが、結果「われはゆく」で幕を閉じた。
私を救ってくれた一節が「われはゆく」だった。

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