人と人という関係性を体感

その昔、ある空手道場の面倒を見て欲しいと頼まれたことがある。
その道場には小学1.2年生の子供から、中学生くらいの子達もいた。
私は子供達に教えたことが無いので、しばらく見学させて欲しいといって高みの見物を決め込んだ。
小さな子供達は、はしゃぎまわり、先生の指図を聞かない。
先生は声を荒げて、何とか秩序を取ろうとしていた。
とにかく、小さな子供達はお構いなしに遊んでいた。
見かねて、「今度から教えることになった日野です」と挨拶。
その挨拶で少し静かになったので、「では、今からやることを見せます」と言って、単純な正拳突きを見せ「ハイ、やって」と指図。
小さな子供は最初は騒いでいたが、他の子供達の雰囲気が変わったので、周りを見渡していた。
そして「先生、もう一回やって」と叫び出す。
私は笑いながら「え、1回しかせえへんよ」と、相手にしなかった。
子供達は、神妙な顔付きになり、周りの子供達を見渡していた。
その小さな子供達には難しいが「人生は、1回。同じ朝は2度と来ない。どんなことでも1回で分かること」手短にそんな話をして、「じゃあ、もう一回だけやるからね」と手本を見せた。
皆、真顔になり一生懸命取り組んだ。
真剣に向かい合えば、誰にでも通用するという例だ。
そこに方法は要らないのだ。
方法を持ち込むと、全く違う関係性になってしまうのだ。
先生と生徒という関係だ。
もちろん、それは間違っていない。
しかし、本当に必要なのは、特に子供達にとって必要なのは、「人と人」という関係性だ。
もちろん、そういう概念ではなく、生身だという話だ。
それを体感する事が重要なのだ。
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http://2016hino.jimdo.com/
東京ワークショップ 11月21日‐24日
http://hinobudo.wixsite.com/workshop
98回武禅のレポートをアップしました。

https://www.hino-budo.com/buzen5.html

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