“なんでマン”ですよね

「どうして“なんでマン”なのでしょうね」
何の話かというと、昨日食事をした競輪の西岡君との話の中身の事だ。
“なんで”自転車を漕ぐのに太腿の筋肉がいるのか?
というような“なんで”の話だ。
とにかく、「あれぇ」となったものは全て“なんで”となるのだ。
もちろん私もそうだ。
「要るわけないじゃないですか、太腿の筋肉なんて、どうして皆は真剣に考えないのでしょうね」
彼はずっとその事を考え続けてきた。
ずっとというのは、高校卒業後MBXでアメリカを転戦し、全日本チャンピオンになっている時から、そして、競輪に転向してずっとだ。
競輪学校では、筋肉をつけろ、体重を増やせと言われ続け、吐いてしまう程食事をし、筋トレをやってきた。
しかし、根底には「“なんで筋肉”違うだろう」という思いがあり、自分なりに工夫をしてきたそうだ。
そこからが私との出会いだ。
もちろん、極端な筋肉は必要ない、ということで、胸骨から膝への連動を指導した。
彼の“なんで”と、私の“なんで”が一致したからだ。
現在S級で活躍している。
もちろん、全選手の中で一番細いだろう。
レースを終えても疲れないから、そのまま練習に入る。
そういう選手もいない。
それが全身を使う、全身の連動の威力だ。
レースの動画を見せてもらったが、本当に美しいフォームだ。
ブレないのだ。
最後の一周という、山場がここしばらくのテーマだったが、そこもクリアしつつある。
「もう一段階上に行きたいですね」
「ほんなら、こうしたら」
「それは思い付きませんでした。早速やってみます」
“なんで”は、時として新しい発想を生むのだ。
多分、この稽古法は世界の誰もやっていない。
だから、失敗か成功かは分からない。
失敗か成功か分からないから挑戦する。
そこも二人は共通しているから面白い。
私の半分以下の年齢なのに、相当大人だ。
それが「自分で考える」そして「自分が答えを出す」という体験の結果だ。

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