鑰
もしかしたら1ヶ月ぶりの教室かもしれない。
まだAmsterdamの気分を引きずっているので、背骨を感じ取るから始めた。
感じ取った応用としての、対人身体操作あれこれ。
伝統武術をやっている人や、キックの人。相変わらず、色々なジャンルの人が来る。
それぞれに得手不得手があるから、見ていて面白い。
背骨を感じ取るのは、全身を使えるに繋がる技術だ。
だから、骨盤だけとか、胸骨だけという具合に分けて稽古をする。
もちろん、最終的にはそれらパーツをつないで全身を使う。
とは言っても、初心者の人には難しい。
だから「出来なくてもいいから、形が崩れないように気を付けて」と口を酸っぱくなる位話す。
それはどこまで理解できているのかは分からないが。
フランスから来ている青年もいた。
デモをやる度に、大喜びをする。
「どうして日本人は喜ばないのか」そういった感情を表現することが間違っていると教育されて来たからだ。
感情を現さない人の集まりほど疲れることはない。
不気味な感じがするからだし、何よりもこちらの気分が滅入る。
「武道塾」は肘打ちも入れたメニューにした。
アッという間に午後9時。
掃除を終え、食事に行くか、買いに行くか、それとも帰るか。
そんなことを考えていると、「電気を消します」と叫び声。
なんと特大のケーキが、道場に運び込まれた。
私の遅い誕生日祝いだった。
チョコレートをベースにした版に、私の写真や日野武道研究所のロゴが入っていた。
余りの大きさに晩御飯抜きだ。