ケンゾー君の舞台

今日はオフだったので、ケンゾウ君のパフォーマンスを見に行った。
60名くらいの客席がある、小さなスタジオだ。
驚いたのは観客の年齢層が高い事だ。
美しく着飾った年配の人たちが、サロンでワインを飲み開場するのを待っている。
その姿に西洋の文化の成熟度を垣間見れた。
以前、ギリシャでフォーサイスの作品を、ベルギーの国立バレエ団がやった時も、いわゆる大人の人達が沢山来ていたのを思い出した。
そして、日本のように、身内のダンサー仲間が集まっているのではない事。
そこにケンゾー君の知名度の高さや、パフォーマンスに対する関心度の高さを見た。
終演後、NDTを起ち上げたダンサーの伝記映画を撮った監督を紹介して貰った。
その女性監督もケンゾー君の大ファンのようだった。
「彼女には助けてもらっています」と言っていたが、多くの人に愛されている事が良く分かる一幕だ。
その監督は、Amyも知っており、二人でやっているプロジェクトに興味を示し、ワークを見学に来るという。
何とも面白い展開だ。
パフォーマンスそのものは、ケンゾー君の独り舞台のようなものだった。
全体を感じ怠惰な流れにならないように、気遣っていた姿がある意味痛々しい感じがしないでもなかった。
ダンサー4人ミュージシャン4人という構成で、まずは1対1のパフォーマンス。
休憩があり、全員でのパフォーマンスという、合計2時間の舞台だ。
そうそう、舞台を見にきて気づいたのは、日本人の女性ダンサーもいたことだ。
元々Classicballetのダンサーで、即興ということでは、まだやり始めたばかりだと言っていた。
こういった即興の舞台を見ると、60年代70年代を思い出さずにはいられない。
日本ではアングラと呼ばれていた当時だ。
もちろん、昔が良かったという事ではなく、何が違うのかというところを考えさせられた事が、非常に良かった。
ケンゾー君は明日から、私のワークに潜入する事になっている。
もちろん、一つでも二つでもケンゾー君にとって、役に立つものを拾って欲しいからだ。

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