満面の笑み
満面の笑みで「ボンジュール」と迎えてくれる。
ホテルの朝食の入口だ。
満面の笑みは、こちらの心理に伝染し気持ちを和ませてくれる。
こういった表情を、あちこちで体験できるからパリは楽しいと感じるのだ。
昨日の、日本料理店とは大違いだ。
実は「これって逆だろう」なのだ。
日本の料亭の「おもてなし」精神を、アメリカの大手ホテルチェーンが真似て、世界に拡散されたものだ。
おもてなしは、日常での単なる気遣いの発展形だ。
単なるというのは、当たり前の事として日本の文化としてあった、という意味だ。
つまり、関係性という事があったということだ。
笑顔が歪む、笑顔が汚い。
こんな人を良く見かける。
老若男女共どもだ。
それは自分の殻が邪魔をしているからだ。
見栄や体裁や間違ったプライド、つまり、自意識が幼いからである。
医療関係者にも多い。
そのことだけでも、既に患者さんに緊張感を与えているのだ。
ロボットのように表情の無い人に、身体を触って欲しくは無い。
誰しも思う筈だ。
自分ならどうだろう。
この「自分ならどうだろう」という視点が、自分を成長させるものなのだが、その視点を人はあまり使わない。
それは「自分はこれをしたい」で一杯いっぱいだからだ。
一杯いっぱいの人からは、何も生まれないのだが、それすらも一杯いっぱいだから気づけないのだ。
一杯いっぱいを考えてみたら分かるだろう。
コップに水が満たされていたら、ジュースを注ごうとしても入らないだろう。
身動きも取れないだろう。
少し動けば零れてしまうからだ。
とにかく、元気のいい声と笑顔、これが、全ての人を豊かな気持ちにさせるのだ。