武道は人生の縮図だから

東京教室の初稽古に、若いフランス人が一人参加していた。
武道を知りたいために留学という手を使って日本に来たという。
しかし、残念ながら日本語は私の英語程度だという。
「大丈夫だよ」とメールを返した。
蓋を開けてみると、受講者の中に英語を話せる人が数人いたので、どうにか話が出来た。
「武道は人生の縮図だから」とそのフランス人は言う。
20代の青年だ。
こういう解釈は、外国ではよく耳にするが、日本では皆無だ。
「どうして?」と思うのだが仕方がない。
武道は、一つのものの考え方であり、哲学でもある。
というところに価値がある。
その価値は身体操作や人間関係というところで体現していく。
というところでの価値だ。
外国の武道ファンは、日本の文化について様々な情報を探し勉強している。
だから「武道は人生の縮図だ」という言葉を持っているのだ。
その点で、私と外国の人達と話が共通する。
14日にマルセイユに飛ぶ。1年ぶりのマルセイユだが、ここにも熱心な受講者がおり、パリやバレンシア、日本迄学びに来てくれる。
学びたい、という姿勢に頭が下がる思いがする。
そういえば、その彼等と出会ってから、もう7年になる。
確実に進化している彼等だから、私としても前に進まざるを得ない。
それは、彼等が「日野先生、昨年より動きが見えなくなりましたね」と、敏感に感じ取る感性を持っているからだ。
これは私にとって有難い生徒だ。
というよりも、仲間だ。
良い仲間が自分を磨く、その現実版だ。
そんな仲間が増えるのは、非常に嬉しい。
それがジャンル超えて、ダンサーや医師、そして科学者とリンクしていく。
「武道」を一つの核として、色々な人が集う。
そんな世界を夢見て、今年も1年が開けていく。

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