追悼ライブ
今日の夜から大阪・セントジェームスで、先日お亡くなりになった、ピアニスト田中武久さんの追悼ライブが3日間(日曜日迄)に渡って行われる。
残念ながら私はワークショップや教室があるので、行くことが出来ない。
東京から盛大なライブになる事を祈るしかない。
出演者は全員、それこそ田中スクールの生徒だ。
田中さんにジャズのツボを学んだ人達ばかりだ。
「何やそれ」田中さんがポツンと呟く一言が、皆を成長させていったのだ。
「何で若い子達は来ないのやろ。昔は先輩に挑んでいったんやけどな」と生前、田中さんが寂しそうにこぼしておられた。
田中さんは、自分にぶつかって来てくれる人が好きだ。
上手とか下手ということではなく、熱く本気で音をだす人が好きだ。
故エルビン・ジョーンズがセント・ジェームスでライブをした時、一緒に演奏する田中さんはどれだけ楽しそうな顔をしていたか。
エルビンの叩く音、フレーズを聴きながら、どんどんドライブし展開させていく。
まるで子供が遊んでいるように、音の中に入り込んでいた。
エルビンのような熱く本気は数少ない。
こう言えば、ミュージシャンではない人から「ええ〜?」という声が聞こえて来そうだが、熱く本気で、というミュージシャンは数える程しかいない。
楽器を演奏できたら、理論を分かっていれば、アドリブが出来れば、という事でジャズをしている人が多いのだ。
近年、ジャズの観客は衰退の一途を辿っている。
それは、そういった上っ面の人が増えすぎたからだ。
誰がその音に3.000円ものチャージを払うんや、なのだ。
つまり、自分で自分の首を絞め続けている世界だということである。
今回は、そういった風潮を吹き飛ばすようなライブになって欲しい。
田中さんが「もう、お前らに任せた」と天国で納得した顔が出来るようなライブになって欲しい。