気分が滅入るのは

自分が楽しむ、ということには二種類ある。
一つは、正に「それを自分なりにやっていて楽しい」という楽しむ。
一つは「自分が出来ないこと、やれないことをやっていて楽しい」という二種類だ。
これは、ワークショップや教室での受講者を見ていて感じたことである。
もちろん、そのどちらでもない人もいる。
そのどちらでもない人を見ていたら、こちらも気分が滅入ってくる。
それは何故だろうと、これまた観察する。
それは「何をしているのかが分からない」からだと気づいた。
もちろん、その人自身には「何をしている」があるのだろうが、それが身体から溢れていないから、こちらに影響してこない、または見えないからである。
つまり、その人と共有できるものが無いということだ。
物事を習う、あるいは、身に付けるというのは、「やれないことをやっていて楽しい」に含まれる。
やれないからやれるように工夫を重ねる。
その事が場の空気を充実させていく。
しかし、やれないことをやっていて、の場合、何と何に注意しなければならないのか、どんなことに注意を払っていなければならないのかを、記憶していなければそうはならない。
それを分かっていない場合、記憶していない場合は、当然何をしているのか分からないになる。
ひたすら繰り返しているだけ、というのがこれにあたる。
そういうことを考えると、「自分なりにやっていて楽しい」ということでも、「楽しい」という気分を持っていない人には出来ないことだと分かる。
昨今は、余りにも「何をしているのかが分からない」が多すぎるからだ。
それはどうしてだろう。
もちろん、そこには手を付ける事は出来ない。
個々の感性の育ち方の問題だからだ。
そこまで手を伸ばそうとすれば、それこそ学校が必要になってくる。

Follow me!