深刻と真剣は違うで

深刻と真剣と必死は違う。
笑顔があるのとふざけているのは違う。
国語の授業ではない。
そこの区別のつかない人が多いという話だ。
特に日本では、この区別が分かっていない。
以前、ロシアの武術、システマのマスターである、ミカエルさんと対談した時に「ヒノは良い先生だと分かる、それはどの写真を見ても笑顔だからだ」と言ってくれていた。
雑誌の記事にある稽古風景の写真を見てのコメントだった。
危険な稽古、シビアな稽古になればなるほど真剣になる。当たり前だ。
気持ちが緩んでいると怪我をしたり、思わぬ事が起こってしまうからだ。
しかし、身体が固まっていても、同じことが起こる。
いや、もっと危ないかもしれない。
もっとも最悪なのは、その稽古を通して獲得しなければならない事が吹っ飛んでしまうことだ。
つまり、気持ちが緩むのと、身体が固まるのが、何かを行う時の大敵だということだ。
深刻は身体を固まらせる。
深刻は自分で自分の殻の中に入り込んでしまう、ということだ。
当然、思考も感覚も閉ざしてしまうし回転もしない。
最もなっては行けない状態だ。
また、その場合は思考ということではなく、考える事と思うという不確かなことが混在し、山手線環状線状態になってしまっている状態なのだ。
それが身体に影響し、身体が固まるのだ。
ただ、その状態を自分は一生懸命考えているとか、真剣に取り組んでいると誤解している人が多いのだ。
気持ちが緩むと、身体も緩む。
そうなると、身体の管理が出来ない。
身体が放ったらかし状態だからだ。
それがふざけている状態だ。
笑顔があると、アイディアが湧きやすいし、物事も覚えやすい。
気持ちが緩む、身体が固まる、という状態には共通項がある。
そして、深刻や必死とも共通する事がある。
それは、周囲が全く見えなくなるという状態になることだ。
隣で稽古をしている人達にも、周りの状況が変化していることも、何もかもが見えなくなってしまうのだ。
だから、やってはいけないことなのだ。

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