取り組み方と
私自身が現在取り組んでいるドラムで稽古法を言うと、まず完成予想図がある。
自分の姿の未来像だ。
で、その中の高速での一つ打ちを課題とする。
一つ打ちの高速奏法を分解する。
分解されたものに挑戦する。
それを続けていると、それでは高速化出来ない事が運動を通して分かってくる。
それは例えば、腕の力み等で分かるということだ。
その間違いを修正しつつ、基本に戻る。
そこから改めて挑む。
続けると取り合いの部分が悪い事に気付く。
取り合いというのは、一つのフォームから次のフォームに移る接点の事だ。
実は、どんなことでも同じだが、次に繋げるのが一番難しいのだ。
で、繋ぎのパーツだけを繰り返し、色々な繋ぎ方を思いつくまま実行し続ける。
そうすると、何となくもしかしたら高速化出来るかもしれないというところに行き着く。
そういった事の繰り返しを日々行うのが取り組み方だ。
ここで大事なことは、続けていると自然と見えてくる。
つまり、どうならなければならないのか、が明確に分かるから「見えてくる」ということだ。
どうならなければならないのかは、完成予想図から引き出した部分の事だ。
そうなると、自分自身の描く具体的な完成予想図を持っているのか、いないのかが鍵になることが、それこそ見えてくるだろう。
訳の分からない練習を繰り返すよりも、完成予想図を明確にすることが、実は完成への近道になるのだ。
そして、その完成予想図を明確にすることが、日本でいうところの見取り稽古になり、潜在意識の側にインプットされていくのだ。
だから、身体が動くように訓練されてくると、自動的にその完成予想図のようになっていくということだ。