生まれて初めてドラムを習う
1月10日までにドラムのコンディションを整えなければいけない。
音楽はいくらでも湧いてくるが、それを表現する為のドラムの演奏ということとなると、6年の空白があるし、その前には25年の空白が有る。
とはいっても、身体は6年前より25年前よりは動くようになっている。
が、スティックのコントロールとなると、身体が動くという全体ではなく部分でありながら、最重要パーツの話になる。
こればかりはスティックを使いまくらなければ、どうにもならない。
6年前に奏法を変えてコンサートに望み、その時点での成果はあった。
しかし、それは自分にとって宿題として残っていた。
まだ、その奏法ではイメージを表現できなかったのだ。
もちろん、それから精を出してドラムに取り組んでいたら、もしかしたらできていたかもしれないが、いかんせん海外活動も多くなり、それどころではなくなってしまっていた。
そこで今回その宿題を思い出し、練習台に向かってみる。
もちろん、いきなりは出来ない。
そして、しっくりこない事が現れる。
昨今、若い人で楽器の上手な人の動画は掃いて捨てる程おり、youtubeにアップされている。
その意味では、教則本には事欠かない。
色々な人の動画を見て、目指す奏法やそれに近い事をやっているものを見付け、ああでもない、こうでもないと繰り返してみる。
しかし、それでは時間がかかり過ぎる。
何しろ1月10日まで後僅かしかない。
ここで遠回りをする訳にはいかない。で
あれば、教えてもらうのが一番だ。
どういうスティックの運動線を作るのが良いのか、そんな細かい事は、面と向かってで無いと分からない。
ということで、今日生まれて初めてドラムを習う、ということを体験してきた。
愚息より一つ年上の青年だった。
Youtubeで彼の動画を見付けた時、この青年は真摯に楽器に向き合い、尚且つそれを構造的に捉えていることに感心していた。
で、一度会ってみようと前々から思っていたので、今日スタジオに足を運んだのだ。
スティックを持ち奏法を教えて貰う。
そこは武道の技術と同じで、反対の部位が重要であったり、運動線が重要であったりで、それこそ目からうろこ状態だった。
一寸私が思案をすると色々な角度から、的確なヒントを出してくれるのも、その青年自身がどれだけ研究をしてきたかの現れだ。
しかし私の独学は、大筋では間違っていなかったことも確信した。
「とにかく1月10日までに、行けるところまで行くから。また教えてや」
あっという間の気分爽快な2時間だった。