何が正しい?

右手と左手の関係、連関、という事を訓練する。
つまり、右手と左手は連関していて、どちらか片方だけを動かすのではないという訓練だ。
もちろん、意識的に連関させるのだ。
右手も左手も日常では意識せずに、どちらかだけを動かす事が多い。
それで事足りるからだ。
その意味で、片側だけを動かすのが間違っているのではない。
ただ、大きな力を出したり、相手と組み投げたり、それを逃したりする場合には、連関させなければいけないということだ。
身体技術の一つだ。
なんとなく連関させているようにみえる動作は、特に空手の突きの場合だ。
だがこの連関はすこぶる難しい。
左右同時に同じだけ動かそうとしても、本当に同時なのかどうなのかは分からないからだ。
そこで訓練の工夫が必要になる。
得てしてどんなことでもそんなものだ。
「何となく同時」というのは、それこそ幼稚園の園児でもやれるだろう。
しかし、「本当に」という事になれば、そういう訳にはいかない。
同時か同時で無いかを見分ける感覚が必要になるからだ。
両手首を誰かに力一杯握って貰うとそれがよく分かる。
同時なら動くが、僅かでもずれると動かないからだ。
とはいうものの、握られている手が動いたからといっても、連関されている証明にはならない。
そこには、相手との関係があるからだ。
と考えて行くと、結局は相手との関係ということが、一番重要なことになる。
よく考えればそれが当たり前の事だ。
人との関係の中での出来事だからだ。

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