分かる筈が無い
2014福岡ワークショップ
6月20,21,22日(金・土・日)
http://rbchinoriron.web.fc2.com/workshop.html
ドラムの駆け出しの頃、駆け出し仲間の中で、一人頭一つリードしていた奴がいた。
頭一つリードしているというのは、既に関西では有名なミュージシャンのバンドに入っていたのだ。
だから、そこでもまれて一流のセンスが身に付いていく。
その意味で、頭一つリードなのだ。
だから、私の時間が有る時、そのバンドを聞きに行き、そいつのプレイを観察したものだ。
有る時、そいつから高名なドラマーを紹介してやろうか、という提案があった。
もちろん、その高名なドラマーに教わるのが、色々な意味で近道になる。
だから、気分は嬉しくなったのだが、その裏で客観的な思考が働いた。
知らない事を知る、という意味では、良い事だが、出来ない事が出来るようになることはない。
出来る方法を知ったところで、ものになるには数年かかる。
そんな当たり前の事が分かるから、紹介して貰った方が良いのかどうかを悩んだ。
結論は、紹介して貰わなかった。
自分の実力では、教えてもらっても分からない、出来ないからだ。
それよりも、今のプレイをもっと上達させ、その高名なドラマーを理解できる程になってから、紹介して貰おうと思ったのだ。
というよりも、その高名なドラマーと並んでやろう、と思ったのだ。
それから数年後に、その高名なドラマーから「日野さん」と呼ばれ驚いた事があった。
それは私の事を知ってくれていた事に驚いたのだ。
こと無形の技術に関しては、先日の国語力という能力だけでは、理解し実現する事は出来ない。
常に、自分自身の「出来ている事・出来る事」がベースにあり、そこからしか理解する事は出来ないのだ。
幸運な事に、私はずっとこの道を歩いて来ている。
だから、「分かる筈はない」ということを身をもって知っている。
だから、それぞれの理解、という言い方をする。
それぞれの人のレベルでの理解と、そのものを理解出来る、というのは全く別のものであって、極論をすれば理解出来る事はない。
ただ、そのような現象に並んだり、近づく事は出来る、というものだ。
それもそれぞれのレベルである。
6月1日から東京教室は引っ越しします
場所:江東区森下3丁目11-12 千葉ビル1F
地図はhttp://yahoo.jp/m9Xx6B
https://www.hino-budo.com/tokyo.html