違いは?

マイちゃんは今日の夜、成田から帰国の途に就く。
何でも、来年京都でヤニス、ファブリーズ達3人でワークショップをやるそうだ。
しかしマイちゃんは、ワークショップを開くのは嫌いだという。
その理由は、ワークを受講する人達は、学生のようにエクササイズだけを求めているだけだからという。
もっと大事な事、つまり、私の言う「身体でのコンタクトや人とのコンタクト」などに対して、全く理解していないし問題意識も持っていないからだという。
という具合に、外国のダンサー達には、私の提示する「コンタクト」は理解され、広がりを見せているのだ。
私にすれば、そこがなんとも歯がゆいところだ。
教室では胸骨操作や、肘の操作、体重移動など、基本的なワークで、教室の皆と汗を流した。
月曜日のお昼は、ステージでの「コンタクト」を徹底的に練習をした。
練習の方法と、その応用のやり方を教えた。
マイちゃん他、マーツやフォーサイスカンパニーのダンサー達との練習で楽なのは、「正面向かい合い」の基本的な部分が出来ていることだ。
つまり、自分自身の意志の強さや向ける方向が、日本人ダンサーと比べようが無い程強いのだ。
もちろん、日本人でも酒井はなさんのようなトップダンサー達は別だ。
だから、そこを一々説明して練習をする必要が無いのだ。
そこを説明していくと、結局は「どうやって?」になるからずれて行く。
だから「どうやっても、こうやってもない、とにかくお互いに向かい合え!」そうとしか言いようが無いのだ。
まず二人で向かい合いをし、そこから別の人とコンタクトをする。
そこを実感させながら、動きとしてのコンタクトと、その見せ方を練習した。
そして、観客とのコンタクト。
もちろん、それが重要だ。
そういった意識を3点4点と同時に使う訓練を教えた。
4月にオランダではマーツやエイミーも、私のワークに来る。マイちゃんもオランダには来れるという。
では、そこでその事を徹底的に稽古しようと話はまとまった。
マイちゃんから、京都や大阪のダンサー達の事を聞かれたが、「会ってないので知らない」というと「何で?」と驚いていた。
「彼らには私のワークは必要では無かった」というと、驚きの混じった寂しさの表情をしていた。
マイちゃんはイスラエル人、マーツはスイス人、エイミーはアメリカ人だ。そこでの共通言語は英語になる。
だから、通訳を介さなければ、私は話を出来ない。
日本のダンサーは日本語を話すから、私とは共通言語は同じだ。
だから通訳はいらない。
しかし、通訳が必要だったり、私の無茶苦茶なカタカナ英語での会話の方が、日本人との会話よりも話は通じる。
しかも深く通じる。
つまり、それは言葉が通じているのではなく、人の持つ問題意識や舞台に対する情熱が通じているのだ。
だからパリでの武道のワークや、アムステルダムのワークにもダンサー達も参加し、大喜びで取り組んでくるのだ。
日本だと、「これは何に使えるのですか?」とまず質問がある。
質問が無い場合は、そのまま姿を消す。
改めてそんなことに気付かされたマイちゃんとの2日間だった。

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