クセと言っていたら
例えば、「押してはいけない」という条件があったとする。
しかし、大方の人は押す。
いくら腕が押さない様にしていても、身体全体は押す形になっている。
その事に、気付く人は数少ない。
もちろん、それがクセだといえばクセだ。
その形になるくせ、そのことに気付かないクセ。
しかし、クセだといっている限り、身体の技術は身に付かない。
鋸を力一杯引くのと同じだ。
それをクセだからと言っていては、何時までたっても木を真っ直ぐに切ることは出来ない。
というよりも、一人前の大工さんになれる筈もない。
身体で培う技術とは、そういったものだ。
そこに気付かず、力任せで乗り越えて来るから、ある年齢から衰えるしかないのだ。
昨日は、棒の稽古をした。
道具というのは、そういったクセを極端な形で分かるから面白い。
先ほどの鋸を引くのと同じだ。
棒を相手の首に当て倒す。
その時、相手の首に力が極端に入ってはいけない。
相手が痛がっていてはいけないのだ。
ではどう当てれば良いのか。
そして、痛みの無い程度の当たりで、どうして倒れるのか。
だから身体技術なのだ。
棒を縦横無尽に操ることで倒すのではなく、相手に接触し、その接触部位にダメージを与えることなく倒す。
それは全体の身体の動きと部分としての腕の動きが、シンクロしていなければそうはならない。
大事なのは、そのことと接触部位の感触であり、それを感覚できる能力だ。
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