無礼は死語かも
「無礼な奴」突然、この言葉を思い出した。
今では死語になっているかもしれない。
いわゆる「わきまえない人」だ。
その場、その雰囲気、そうか、今では「空気を読めない人」ということになるのだろうか。
しかし、空気を読めない、と無礼な奴では、相当ニュアンスが変わる。
空気を読めない、という中には、その人の人柄が「憎めない」も入る。
しかし、無礼な奴は、失礼なも含まれており、「礼儀を知らない」という、関係のいろはを知らない人、という意味合いが大きなウエイトを占める。
20年ほど前、初見宗家のドイツでのセミナーを見学に行った。
その時、「日野さん、今日は日本人の徳の高い僧侶が来ます」とおっしゃったので、お会いするのを楽しみにしていた。
会場の雰囲気が何か変わったので、入り口の方を見ると、その僧侶が初見宗家の方に歩いていた。
その姿を見るなり「こいつは偽物やろ」と思った。
会場で稽古をする4.500人の真ん中を、ズケズケと周囲に何の気遣いも無く歩いていたからだ。
私は宗家に「あきまへんで、あのおっさん」と告げた事を思い出し「無礼」という言葉が浮かんだのだ。
それは、ちょっと前、大阪の稽古でブチ切れ寸前になったグループを、どう解釈すれば良いのかと悩んでいた。
やっとその言葉が浮かび、「そうか、無礼な奴、という括りで良い」と思ったのだ。
そう言えば、入り口から道場の真ん中をズケズケと歩いていた若者もいた。
外国の人達でも、礼儀正しい人はいくらでもいる。
マナーの悪い人もいる。
マナーの悪い、つまり、礼儀知らずの日本人と出会った時、どんどん日本人の良さは失われていっている事に情けなくなる。
いくら外国語が堪能でも、礼儀知らずは、そのレベルの人には相手にされないという事も知らないのだから。
武禅一の行 5月1.2.3日
武禅一の行・受講者の感想