後1週間だ。だがすぐ消える時間でもある

1週間。
もちろんコンサートまでの日数だ。

残り1週間だと私自身が騒いでいるが、当日が来ると90分で終わってしまうのだ。
そして、その90分は二度とは戻ってこないし、音楽は造形物ではないから、音を出す度に消えていくものだ。
二重にも三重にも消えてしまう90分だ。

しかし、90分の中の1秒は、私にとっては静止もするし流れもする。
精神状態がそうさせるのだ。

私を絞り出す時間は30分くらいだと踏んでいる。
10年前は、もう少し長かった。
これは、私の記憶との勝負の話だ。

私にとっての音の記憶、手癖の記憶がある。
それは10年前よりも少なくなっている。
忘れてしまっているということだ。
少なくはなっているが「ある」。
それを出しきるのに30分くらいかなと思うのだ。

勝負は、そこからだ。
ネタが尽きて「私」が剥き出しになってくる。
そこから、限界を超えていくのだ。
私自身は、ここからの私が好きだ。
当然、音も変わる。

これは、限定された時間の中で、つまり、演奏時間は長くて60分と決められた中で、自分自身を剥き出しにしてしまわなければならないのだ。
それこそ頭の中を空っぽにするのだ。
そこへ辿り着くのが30分くらいだろうと思うが、そんな悠長な話は無しだと思ってもいる。

ふと思った。
いきなり空っぽに出来ないのか?
武道では、相手と対峙した瞬間には間違いなく空っぽになっている。
でなければ間に合わない。
よ〜し、そこへ行ってやろう。
今回は、そこを挑戦してやろう。
もちろん、今思い付いたことだ。
その意味での武道をやってみよう。
限界を超えるのではなく、武道をやってみよう。
日野晃’古希’ドラムソロコンサート
4月12日 大阪大丸心斎橋劇場
6月1日 新宿ルミネゼロ

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