緊張感あふれる舞台を
70年代は、色々なジャンルの人と今でいうコラボをやった。
もちろん、真剣勝負だ。といっても、今の人には何一つ想像出来ないだろうと思う。
「音楽で一体何が真剣勝負なのか」
自分の持っている音楽性、技術、精神、それらを総動員させ、お互いが出す音や動きに反応し、新たな「何か」をその舞台で創り上げる。
あるいは、その場でしか出来ないことを見せる、聴かせる そんな事だ。
もちろん、それらは言葉として現代でもあるだろう。
しかし、その当時の舞台には、お互いに「もし、くだらない音を出すとお前を壊すぞ!」という気迫が大前提としてあった。
もちろん、それは言葉だけのもの、雰囲気だけのものではない。
お互いに本気なのだ。
実際に、ライブやコンサートの舞台を成立させなくしたことは何度となくある。
その意味で「潰しのアキラ」と呼ばれていた。
そういう真剣勝負なのだ。
もちろん、観客もその緊張感を求めていたのだ。
その緊迫感を聴きに、あるいは見に沢山の人がきてくれた。
だから、「金返せ!」「こいつにギャラを払うな!」というヤジはいくらでも飛んだ。
そんな観客が、私を支えてくれている舞台だから、共演者が緊張のあまり、本番前にお酒を飲み過ぎ、勝手に壊れたこともあった。
アウエーの舞台で私はビールの空き缶を集中的に投げつけられたことも、一升瓶を投げられた事もある。
そんな場や舞台で、ドラムソロをし最後にアンコールを取るのが快感だった。
共演者と、そして観客とは、常に対峙して勝負をしていたのだ。
そんな緊張感の持つ舞台を息子と出来れば最高だ。
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